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“ シャーロック・ホームズ ” book review☆☆★
これまでに読んだホームズ本を、探偵ピーコック・ホールズ&友人ポン・H・ララミーが紹介します。
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『シャーロック・ホームズ ガス燈に浮かぶその生涯』
W・S・ベアリング=グールド 著
小林 司・東山あかね 訳
1991 河出文庫

探偵シャーロック・ホームズの両親の時代から始まり、探偵の幼少期、ライヘンバッハの死闘の後の空白の三年間そしてサセックスで103才で死ぬまでを含めた全生涯を世界で初めて系統的にまとめあげたホームズファン必携の一冊。同時代のエッセンスを巧みに交え、バーナード・ショウやルイス・キャロル、ロンドンを恐怖に震わせた切り裂きジャックとの関係も盛り込まれていて読みごたえは十分だ。読んでいるうちに、シャーロック・ホームズがフィクションだということを忘れてしまった。ピーコック・ホールズはフィクションかそうでないかを論ずるのは無粋だと言う。「歴史の教科書だって、ある意味、壮大なフィクションさ。ぼくたちが実在してるかどうかだって、同じくらい曖昧だよ。」 と、バイオリンを手にとって背を向けた。月明かりに痩せたシルエットが浮かび上がる。細長い影が幻想的な旋律に揺れている。フィクションだろうとそうでなかろうと、今確かなことを見よ、である。今確かなことーそれは空腹だということ。ホールズは呆れ顔だったが、わたしは家主のパラソルさんに夜食を作ってもらうため、呼び鈴に手を延ばした。
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聖典
サー・アーサー・コナン・ドイル著 『シャーロック・ホームズ 』シリーズ


ある日、ビーカー街221Bの居間にて。

ララミー 「ホールズ、きみはこれを読んだことがあるかい? この “シャーロック・ホームズ” という人物は、どうもきみを彷彿とさせるねぇ。」

ホールズ 「はん! 賛同しかねるね、ララミー。たしかにこのホームズという人物には推理の素質はある。『緋色の研究』で彼は印象的な登場を果たし、『バスカヴィル家の犬』などは迷信に惑わされない彼の理智的な思考が素晴らしく、ぼくも勉強させてもらったよ。」

ララミー 「ほう。随分誉めるじゃないか。」

ホールズ 「しかしだね、『ボヘミアの醜聞』では結局女性に出し抜かれているし、『三人ガリデブ』では友人のワトスンを例によって事件に巻き込んだあげく、死なせてしまいそうになるんだぜ。とりわけモリアーティー教授との対決譚『最後の事件』で生死不明となった際も、可哀想にワトスンにはたった一枚の置き手紙が遺されただけだったんだからね。あんまりひどいじゃないか? ぼくならそんなことはしないよ。むろん、しないともララミー!」

いつもは感情を映すことのないホールズの灰色の瞳が、一瞬ふるえたように見えた。

ララミー 「ホールズ! ぼくは知らなかったよ。きみがそんなに熱烈な……」

わたしは感動を抑えられずに言った。

ララミー 「熱烈な “シャーロック・ホームズ” の読者だったなんて! では、さあ、聞かせてくれたまえ。きみが一番好きな事件はどれだい? わたしは、わたしはね……!」

まさかホールズとホームズ譚を語り合える日が来ようとは! ビーカー街221Bの夜は長くなりそうである。




☆☆★補足

サー・アーサー・コナン・ドイルによって書かれたホームズ譚は、長編4篇と短編56篇。
その後、『怪盗リュパン』シリーズで知られるモーリス・ルブランや、ご存じエラリー・クイーンなどあらゆる人によって膨大な量の研究、贋作が発表されている。イギリスをはじめ、世界中にホームズ愛好者のクラブがある。日本にももちろんある。軽井沢追分にはホームズの銅像が建っている。ホームズの魅力は時を越えて健在だ。
ララミーからの挨拶
みなさん、はじめまして。
ポン・H・ララミーです。
探偵で友人のピーコック・ホールズ君と、ビーカー街221Bでささやかに暮らしています。

世界には自分によく似た人物が三人いる、などといいます。
あらかじめ言っておきますが、友人ホールズはかの名探偵シャーロック・ホームズ氏ではないし、わたしはジョン・H・ワトスン氏ではないです。
しかし実際、世の中にはわれわれに似た人物がどうもごまんといるようで……。

そんなわけで、サー・アーサー・コナン・ドイル氏によるホームズ譚およびこれまでにわたしが読んだ贋作の数々を、小劇場形式でご紹介したいと思うわけです。

お楽しみいただければ、幸いです。

April.2013 ポン・H・ララミー
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